繊維ファッション業界に新風が吹いている。オープン後たった3カ月で大手企業を中心とした登録者数が約250社を超え、急速に拡大しているBtoBフリマサイト「SMASELL(スマセル)」が登場した。

同サイトは株式会社ウィファブリック/WEFABRIK Incが運営している。登録企業は日本を代表する大手商社やアパレル企業の他、百貨店や大手スーパーなど、さまざまな業態の企業が名を連ねている。

2017年8月にリサイクルショップ95店舗を運営する株式会社ベクトルをはじめとし、KLab Venture Partners株式会社、株式会社レジェンド・パートナーズ、株式会社オムニバス等を引受先とする、約3,000万円の第三者割当増資を実施に成功した。

ではそのフリマサイト「SMASELL」の内容をご紹介する。

「SMASELL」の在庫循環型システム

なぜ、「SMASELL」がここまで人気なのか、まずはそのシステムをみてみよう。

まず百貨店、量販店、問屋、買い取り業者といったバイヤーが欲しい商品を「SMASELL」に発注する。そして、「SMASELL」はそれに合った商品を商社、アパレル、問屋などの出品者に発注する。

出品者は商品をバイヤーに送り、代金は三井住友銀行を通してバイヤーから発注者に支払われるという仕組みだ。代金は三井住友銀行の信託サービスを利用した決済機能によって購入代金を分別管理される。

バイヤーにとっては

  1. 仕入れが簡単
  2. 支払いが安心
  3. 匿名でも仕入れ可能
  4. 多様な特価商品と出会える

といったメリットがある。

また、出品者にとっても

  1. PCやスマホで手軽に出品、販売管理が可能
  2. 多様なバイヤーと出会える
  3. 匿名での出品が可能
  4. 決済が安心

といった点から在庫商品を出品しやすいというメリットがある。

不動在庫により生じる問題を解決

では、「SMASELL」が他のフリマサイトと一線を画しているポイントは何だろうか?

それは「不動在庫により生じる問題」の解決を掲げている点である。

不動在庫によって、生じるコスト、時間、環境負担の問題を在庫商品の循環を手助けするシステムとなっているのである。コストについては、決算前に、通常流通価格の100分の1程度の価格で処分されることや売り切れなかった場合廃棄業者に引き取ってもらうのにお金がかかってしまう。

時間については、不動在庫を販売するのに時間・体力・思考がかかるという問題がある。そして、廃棄処分によって生じるは異臭などの環境問題も大きい。「SMASELL」は在庫の循環を手助けし、これらの問題の解決を後押している。

複数の価格設定や後からの在庫確認が可能

売買側のメリットに加え、「SMASELL」は複数の価格設定や後からの在庫確認が可能、繊維業界出身者によるカスターサポートなどを行う。

たとえば、価格設定では、最低ロットと一括買い取りで販売価格に差をつけられるため、より効率的に売れる機会を逃さない。また、後からの在庫確認が可能という点では、並行営業中で、在庫が読めない商品でも出品可能。バイヤーが購入意思を示してから在庫確定し、取引成立させることができるのである。

古着や広告業界にも進出

SMASELLは株式会社ベクトルとの資本・業務提携により、今後は今まで取り扱いのなかった古着の展開も計画予定だ。

その他、大手広告代理店の株式会社電通とも事業提携に向け進行しているという。特に電通との事業はどのようなビジネスになるのか興味深い。

繊維業界において不動在庫の新たな流通と、その解消の促進をSMASELLは飛躍的に伸ばすことができるだろうか、今後の動向に期待が高まっている。