空撮や農業、公共事業などの商業に応用され、次世代の空飛ぶタクシーとの呼び声が高いドローン。個人で利用するには中々手が出しにくい代物だが、活躍の場は着実に広がってきている。盛り上がりを見せる中、ドローン事業を軸にサービスを展開する国内企業、ブルーイノベーション株式会社が新たなサービスを発表。

ドローンを使った安全で時短・コスト削減を実現する屋内点検サービス「Biインスペクター」をスタートしている。

ドローンによりこれまで難しかった環境での点検も可能に

ブルーイノベーション株式会社は、複数のドローンを協調・連携させて複雑なミッションを達成させる統合管理プラットフォームBlue Earth Platform(BEP)を軸に、警備、屋内点検、教育・安全、エンタメ、物流の5つのサービスの展開を図る、ドローンの先駆的ソリューション・プロバイダーだ。

特に、屋内の点検分野においては、スイスのFlyability SAと業務提携し、屋内狭小空間での飛行に最適な性能を持つFlyability社の“Elios”製品による屋内点検分野での新たなソリューション・サービスについて検討してきた。

同社のBlue Earth Platform(BEP)は、ミッションをベースに複数のロボットやドローンを統合管理するプラットフォームだ。任意の地図情報や、物体の位置情報、そしてそれらオブジェクトの属性情報を統合・管理することによって、ドローンやロボットの自動制御による業務ミッションの達成をスマートに実現していくという。

ドローンやロボットが自分の位置を推定するシステム、ドローンやロボットヘのサーバー通信システム、ドローンやロボットを操縦するシステム、全ての情報を統合管理するシステム、という4つのシステムを連携させて、複数のロボットやドローンを統合管理している。

今回のBiインスペクターは、

  • コンパスエラーが出ない
  • 壁面に衝突しても安定した飛行を続けることができる
  • 球体のカゴが回転してもカメラは安定して撮影することができる
  • 強力なLED照明(28W)が暗闇の中を明るく照らせる

といった“Elios”の特性を活かして、機械設備の多い工場や設備内部・配管などのGPSの入らない特殊な環境においても、安全かつ安定した飛行で点検運用が可能なサービスだ。

これまで点検作業が難しかった工場、プラント、トンネル・配管といった現場での低コストで安全な点検業務を実現するという。

安全性・作業時間の短縮・コストの大幅削減など多大なメリットが

具体的なメリットとしては、

  1. 従業員の安全性向上
    危険な場所に立ち入る必要がなく、あらゆる環境で遠隔視覚点検を可能にする。
  2. 作業時間の大幅な短縮
    現場点検の準備に時間がかからず、また、点検作業に数日かける必要はなく、数時間で終了する。
  3. 圧倒的なコスト抑制
    目視点検を行うために必要な足場、ロープ、クレーンが不要で、ドローンのみで済むため、コストを大幅に抑えることが可能だ。

また、使用しているFlyability社の“Elios”の特長は、

  1. 安全な点検作業とコスト削減を実現
    工場内のボイラー、タンク、圧力容器、トンネルなどの狭小空間に遠隔操作で進入し点検作業を行う。安全に作業ができ、さらに作業時間の短縮、検査コストの削減を実現する。
  2. 操縦は簡単、誰でもすぐに操作可能
    操縦経験は必要ない。パッケージを開けてバッテリーを挿入するだけで、衝突、損傷、あるいは負傷といった心配もなく、安全に飛行させることができる。Eliosはどのような場所でも離着陸させることが可能である。
  3. 高解像度画像を実現する、オールインワンソリューション
    Eliosは完全な暗闇の中でも最大0.2mm/pxの画像を撮影・配信可能。これまで点検が難しかった箇所でも、LED照明とサーモカメラにより、点検可能となった。

米国で進められる「ドローン・コリドー」プロジェクトとは

このところ、世界各国でドローンの活用が進んでいる。各国それぞれの動きを見せているが、中でも米国では、連邦・州政府挙げての取り組みをスタートさせている。

ニューヨーク州は昨年12月、ドローンの研究開発に特化した「ドローン・コリドー」の設置を発表。

これは、ニューヨークのグリフィス国際空港から西に約80kmに及ぶ地帯を、ドローン研究開発向けに整備するというもの。このプロジェクトには、総額5億ドル(約550億円)の予算が投じられる予定だ(2015年に発表)。

コリドーにはセンサーやレーダーの設置され、試験飛行する企業が研究開発に向けてデータを取得しやすい環境を整える計画だ。現在は半径5マイルに限られているが、ルール整備の進行によって目視飛行が許可される日も近いようだ。これにより、これまで目視飛行が難しくアマゾン・ウォルマートなどのドローンデリバリー・プロジェクトの進行を阻害してきた問題を変えられる可能性がある。

ニューヨークのドローン・コリドー第1段階利用(syracuse.comYouTubeチャンネル動画より)

健康、教育、エンタメなど5つの分野でサービス展開

ブルーイノベーションでは、BEPを軸に、今年5つのサービスを展開する予定だという。

一つは、社員健康管理および警備サービス「T-FREND」。二つ目は、屋内点検サービス。三つ目は、教育向けサービス。四つ目は、エンタメサービスである「プラネットドローン」。五つ目は、「物流用ドローンポート」を軸にした物流サービスだ。
いずれのサービスも、BEPの技術が内蔵されており、強力にサービスをサポートするという。

BEP技術の活用による様々な分野の成長がどんな形でみられるのか、期待したいところだ。

img:PR TIMES