環境や貧困といった、社会的な課題解決への参加は、ミレニアル世代の大きな関心事となっている。

企業においても、事業の持続性やブランディングなどの面から、社会的課題の解決につながるビジネスに取り組むケースが増えてきた。

盛り上がりを見せている、クラウドファンディングやSNSは、課題解決への取り組みに、ユーザーを巻き込むビジネスモデルを可能にしているようだ。

まず紹介するのは、社会的な課題に関するコンテンツをチェックして、すぐに支援に参加できる新メディアだ。

海が抱える課題を知り、すぐに支援できる新メディア「Gyoppy!」

2018年10月3日、ヤフー株式会社(以下・Yahoo! JAPAN)は、新しいメディアサービス「Gyoppy!(ギョッピー!)」を公開した。

Gyoppy!では、海の環境汚染や生物多様性の危機、漁獲量の減少といった、海が抱える課題に関するコンテンツをあつかう。

ユーザーがコンテンツを読んだ後、すぐに課題解決に向けた支援に参加できる、というのが新メディアの特徴だ。

海の環境保全、持続可能な水産業、サステナブル・シーフードといったコンテンツを読んだ後、すぐに支援へのアクションが行える。支援のアクションは、クラウドファンディングやネット募金・ネット通販などをとおして行う。

具体的には、「海や漁業に関するクラウドファンディング」(株式会社CAMPFIRE)、「『東北エールマーケット』でのエシカルな水産物の購入」(ヤフー株式会社)、「ネット通販、実店舗、飲食店等での持続可能な水産物の購入」(一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン)などだ。

Yahoo! JAPANはこれまで、「課題解決エンジン」というミッションのもと、社会貢献に関するさまざまな取り組みを行ってきた。東日本大震災の被災地支援として、「東北エールマーケット」や「Search for 3.11 検索は応援になる」などを展開してる。

2012年には、石巻に拠点を設立。社員を常駐させて地域課題解決に継続的に取り組んでいる。水産業が主要な産業となっている石巻での活動が、海の魅力や課題を伝え、そしてアクションに繋げる新メディアGyoppy!の公開につながったようだ。

Gyoppy!は海の課題解決に参加できるメディアだったが、もう一つ紹介したいのは、ユーザーがSNSをとおして食糧問題の解決に参加できるサイトだ。

食料問題の解決に、SNSで参加「おにぎりアクション2018」

2018年10月3日、特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International(以下・TFT)は、「おにぎりアクション2018」の実施と特設サイトの開設を発表した。

TFTは、2007年10月設立のNPO法人。「先進国のわたしたちと、開発途上国の子どもたちが食事を分かち合う」というコンセプトのもと、飢えに苦しむ世界の子どもに、給食をとどける活動をしている。

「おにぎりアクション2018」は、国連が定めた10月16日の「世界食料デー」(世界中の人が食べ物や食料問題について考える日)を記念して実施される。

ユーザーはSNSに、おにぎりにまつわる写真を、#OnigiriAction をつけて投稿する。すると協賛企業が、1枚の写真投稿につき100円の寄付を提供するという仕組みだ。

協賛企業が提供する寄付100円は、アフリカの給食5食分に相当する。利用できるSNSは、Facebook・Instagram・Twitter・FiNC。期間は、10月10日~11月20日となっている。

無料で投稿でき、期間中であれば何度でも投稿できる。今年のテーマは“おにぎり持って、最高のおでかけしよう!”。ピクニックやキャンプなど、でかけた先で楽しくおにぎりを食べる投稿を、と呼びかけている。

おにぎりアクションは、今年で4回目の開催となる。2015年より毎年1か月半開催し、2017年までの累計で、27万枚の写真を集めた。のべ100万人が参加し、200万食の給食を届けている。日本を中心に世界35ヵ国で実施と、広がりをみせている。

課題解決が、より身近なものへ

社会的な課題の解決につながるビジネスが、増えている。社会的企業(ソーシャルビジネス)や、社会的企業家(ソーシャルアントレプレナー)という言葉も、聞かれるようになった。

今回紹介した、Gyoppy!とおにぎりアクション2018では、クラウドファンディングやSNSを活用し、ユーザー参加型のビジネスモデルとなっている。

企業の姿勢やテクノロジーが、社会的な課題の解決を、ミレニアル世代にとってより身近なものへと変えているようだ。

img:Yahoo! JAPAN , PR TIMES